仮面社畜が変える日本の労働環境の未来

By | 2016年8月28日

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”本業で給料を上げるのと副業で稼ぐのとどっちが効率的か?”

これはなかなかに興味深いテーマです。

現に副業をしている私の立場から見れば、副業の方が圧倒的に効率的ですし身になります。

会社員の方はお分かりになるかと思いますが、会社で月5万円給料をアップしようとすれば、これは大変な労力が必要です。

私自身経験がありますが、サービス残業し、嫌な上司に気に入られ、プライベートの時間には必死でスキルを身につける、その結果の昇給が数千円だったときは夢も希望もなくなります。

企業の中では純粋に自分の力を試せない

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私が思うに、(日本の)企業の中で一員として仕事をする場合に求められる能力というのはかなり特殊なものに思われます。

ビジネスをしてゆく上で求められるスキルとしてよくコミュニケーションスキルが挙げられますが、企業の中で求められるコミュニケーション能力というのが少々特殊な事情のもとにあるのです。

企業においては必ず役職という名の上下関係(本来役職は上下関係ではなく役割分担であるべきなのですが)が存在します。

つまり、一般社員というのは何をするにも決定権のある上司の了解を得る必要がありますから、とにかくこの上司との関係性をうまくしておかなければ何をするにもうまくはいかないわけです。

そしてこの上司が保身的であったり、ワンマンであったりすると悲惨です。

頑張っても評価されない可能性がありますし、そもそも上司のやり方が違うと思っていても、そこに目をつむって上司の気に入るような方法で仕事をしなければならなくなります。

これではその会社で成功を掴むことは難しいですし、結局のところ、これは会社全体にとっても不利益になってしまう可能性があるのです。

仮面社畜という生き方

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最近話題になって「仮面社畜」と言われる人々が増加している背景にはこういった事情があるものと思われます。

これまでは企業においては、その企業で出世するために不条理な人間関係も受け入れて頑張るタイプと、もはや出世は諦めて言われた仕事を淡々とこなしてゆくタイプのふたつがいたものと思います。

しかし、最近では終身雇用の崩壊とクラウドソーシングの登場が相まって、新しい生き方を選択する層が出てきたのです。

これこそが最近「仮面社畜」と呼ばれる人々です。

彼らは会社では無難に仕事をこなし、定時になるときっかり帰ります。そして帰ってから個人的に仕事をするわけです。

中小企業というのは大企業ほど業務が細分化されていないこともあって、社員個人個人の能力値は高い傾向にありますから、実質個人でも十分に仕事を取れる人たちが一定数存在します。

そして中小企業は大企業ほど資金力がありませんから、労使協定などを導入して実質社員をサービス残業させるようなところも少なくありません。

しかし「仮面社畜」は、この辺は承知の上で、特にそこを批判することに労力を使いません。無駄だとわかっているからです。

そして冷静に、サービス残業するくらいであれば、帰って個人的に仕事をした方がお金になるし、自分の資産になるという判断するわけです。

経営者や役職の枠というのは大抵の場合、既に埋まっていますから、会社で出世を狙うよりも、自分自身で稼げる環境を早めに構築しておいた方がリスクが低いことは実に明白です。

労働力の自由競争はすでに始まっている

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企業は未だに一度雇用をしてしまえば、労働者に対し企業側が有利な状況にあると信じています。

多くの従業員は十分な貯蓄をできるくらい潤沢な給与はもらっていませんし、転職活動を行う時間的余裕もないので、企業側も従業員がそう簡単には辞めないだろうと考えています。

だから、社員は企業内で経験やスキルを得て、労働市場において価値を高めているのにも関わらず、企業はそれを正当に評価しようとはしません、いや、中小企業ではその評価システム自体を持たない場合も少なくないでしょう。

企業側としては、一度人件費を上げてしまうとなかなか下げられないですから、基本的には昇給には消極的になる気持ちは理解できなくはありませんが、一般社員にその点を考慮しろというのは難しい、というか筋違いでしょう。

このとき、企業側としてはやはり査定の理由を社員に明確に伝えなければなりませんが、ここで会社の業績を理由にしてしまうと社員に見切られてしまう恐れがありますので、結果的に社員の不足している点を指摘せざるを得なくなります。

例えば、「君はこれこれこういうところがまだ足りない、このままだとどこへ行っても厳しいと思う。期待しているのでもっと頑張ってほしい。」となるわけですね。

企業側は一見これがうまく行っていると考えていますが、実はこういった態度は企業と社員の信頼関係を決定的に破壊してしまう要因になります。

いずれにしても企業側がどう説明しようと、社員の能力値が上がれば上がるほど、その社員は「もし別の場所だったらどうだろうか」と、別の場所で自分の力を試したいという意欲が湧いてくることになります。

ただ、これまでは転職活動をする時間がなかったり、転職に伴うリスクがあったり、安全に自分の力を他で試せる場がなかったために、こういった意欲は抑制されてきたのです。

しかし、クラウドソーシングの登場は現在この壁に穴を開け始めています。

そう、今は社内に在籍しながら、低リスクで自分の労働力を売るという選択肢が現れたのです。

リクルートの「サンカク」というサービス

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そしてさすがにリクルートはこの状況の変化を的確にとらえています。

「サンカク」というサービスをご存知でしょうか?

「サンカク」
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https://sankak.jp/

そう、既に企業が従業員の労働市場での本当の価値を無視して惰性で雇用を続けられる時代は終わりを迎えようとしています。

今後労働市場はもっと動きの激しいものとなってくるでしょう。

企業の中で自分の能力をうまく育めない状況にあったり、正当な評価を得られない人材は、会社に在籍しながら会社の知らないところでどんどんと仕事をして力をつけはじめます。

そしてより正当な評価をしてくれる場所があれば、そこによりよい条件でブランクなく移ることができます。

もしくはそういった中で培った実績や人脈を活かして起業する人間も増えてゆくでしょう。

人々の働き方はこれから多様化してくるのです。

おそらくこれからこういった考え方に順応できない企業は、これまで通りの考え方で人材を評価し、優秀な人材を根こそぎ奪われるでしょう。

これからの企業は社員を自社の資産という意識ではなく、ビジネスパートナーとして考える必要が出てくるようになると思います。

労働者にとっては、ちょっと面白い時代になりそうですね。